ポータルに頼らない整骨院の集客
ホットペッパービューティーやエキテンの掲載費用が経営を圧迫している整骨院へ。Googleマップ・自社サイト・LINEを軸にした自力集客への切り替え方と、ポータル依存を段階的に下げる現実的な方法を解説します。

ポータルサイトの掲載費は「家賃」と同じ — やめたら集客がゼロになるリスク
ホットペッパービューティーやエキテンに毎月掲載費を払っている整骨院は多いです。月額数万円から、上位プランだと10万円を超えるケースもある。年間で考えると60万〜120万円以上。この費用が経営を圧迫しているという相談は珍しくありません。
ただ、ポータルサイトの掲載をいきなりやめるのは危険です。ポータル経由の来院が売上の3割〜5割を占めている院も多く、掲載をやめた途端に新規患者がゼロに近づくリスクがある。これは賃貸の家賃と同じ構造です。毎月払い続けないと場所を失う。払い続ける限り、利益が手元に残りにくい。
この状態から抜け出すには、ポータルに頼らない集客の柱を自力で作る必要があります。一気に切り替えるのではなく、自力集客を育てながらポータルの比率を段階的に下げていく。これが現実的な方法です。
自力集客の柱はGoogleマップ、自社サイト、LINEの3つ
ポータルサイトに代わる集客手段は色々ありますが、整骨院に限って言えば軸にすべきはGoogleマップ、自社サイト、LINE公式アカウントの3つです。
Googleマップは「今すぐ整骨院に行きたい」人を拾う入口。自社サイトは「症状や施術について調べている」人を拾う入口。LINEは一度来院した患者さんとの関係を維持する仕組み。それぞれ役割が違うため、3つを組み合わせることでポータルの代替として機能します。
SNS(InstagramやTikTok)も集客手段として挙げられることがありますが、整骨院の場合は優先度が低い。整骨院を探す人は「今困っている」から検索するのであって、SNSのタイムラインで整骨院の投稿を見て来院を決めるケースは限定的です。もちろんやって損はありませんが、まずは上の3つを固めてからの話です。
Googleマップで「地域名+整骨院」の検索を押さえる
自力集客の最優先はGoogleマップの整備です。「地域名+整骨院」でGoogle検索すると、検索結果の最上部にGoogleマップの枠が表示されます。ここに自院が出るかどうかで、新規患者の流入数が大きく変わります。
やるべきことは、Googleビジネスプロフィールの情報を隅々まで埋めること。院名、住所、電話番号、営業時間、施術メニュー、写真、ビジネスの説明文。これらを正確かつ詳細に登録するだけで、多くの院より一歩先に出ます。(実際にGoogleマップで近隣の競合院を見てみてください。情報が空欄だらけの院がほとんどです)
口コミの数と評価も検索順位に影響します。施術後に「よかったらGoogleで感想を書いていただけると嬉しいです」とお願いする。受付にQRコード付きのカードを置いて、スマホで読み取ればすぐ投稿画面に飛ぶようにしておく。月に3〜5件のペースで口コミが増えていけば、半年後には目に見える変化が出てくるケースが多いです。
Googleビジネスプロフィールの「投稿」機能も活用してください。週に1回、2〜3行の短いお知らせと写真をアップするだけで、Googleから「活発に運営されているビジネス」として評価される傾向があります。投稿にかかる時間は1回5分程度。ポータルの管理画面をいじるより手軽です。
自社サイトは「施術メニュー別ページ」が検索の入口になる
Googleマップが「今すぐ来たい人」を拾う仕組みなら、自社サイトは「まだ検討中の人」を拾う仕組みです。
自社サイトでSEOの効果を出すために最も重要なのは、施術メニューごとに独立したページを作ること。「骨盤矯正」「交通事故施術」「肩こり」「腰痛」それぞれについて、1ページずつ作る。すると「地域名+骨盤矯正」「地域名+交通事故 整骨院」といった具体的なキーワードで検索に引っかかるようになります。
トップページに全メニューを並べるだけでは、個別のキーワードでは検索に引っかかりにくい。ページを分けることで、それぞれのキーワードに対して検索エンジンが「このページは骨盤矯正について詳しく書かれている」と判断できる。一般的に、ページ単位でテーマが絞られている方がSEO上は有利です。
各メニューページには、施術の内容、所要時間、料金、どんな症状の人に向いているか、施術の流れを書いておく。「専門的に見せよう」と難しい言葉を使う必要はありません。患者さんが知りたいのは「自分の症状に効くのか」「いくらかかるのか」「痛くないのか」の3つです。
症状別のコラム記事は広告規制に注意しながら書ける
施術メニューページに加えて、症状別のコラム記事も集客力を上げます。「朝起きたら腰が痛い 原因」「デスクワーク 肩こり 対策」のような検索キーワードで自社サイトに来てもらい、そこから予約につなげる流れです。
ただし、整骨院のWebサイトで症状や効果について書く場合、あはき法や柔道整復師法、医療広告ガイドラインに抵触しないよう注意が必要です。「治る」「完治する」といった表現は使えません。厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関して、施術の効果を誇大に表現することを規制しています(出典 厚生労働省 医療広告規制)。
書き方としては、「〜の症状でお悩みの方が多く来院されています」「〜に対して骨盤の歪みからアプローチします」のように、施術の方針や来院の傾向として書く。断定的な効果表現は避ける。このルールを守れば、コラム記事は安全に運用できます。
LINE公式アカウントはリピート患者の維持に強い
新規患者の獲得はGoogleマップと自社サイトに任せるとして、リピート患者の維持にはLINE公式アカウントが効きます。
整骨院の売上は、新規患者よりもリピート患者に支えられている部分が大きいはずです。月に1回〜2回のペースで通ってくれる患者さんが10人いれば、それだけで安定した売上基盤になる。この層をつなぎとめる仕組みとして、LINEは相性が良い。
LINE公式アカウントは無料プランでも月200通までメッセージを送れます。患者数が少ないうちは無料プランで十分。やることは、来院時にLINEの友だち追加をお願いして、月に1〜2回、予約の空き状況やちょっとした健康情報を配信するだけです。
予約もLINEで受けると患者さんの負担が減ります。電話は営業時間内にしかかけられませんが、LINEなら夜中でもメッセージを送れる。「明日の午後、空いてますか」とLINEが来て、朝に返信する。この手軽さがリピート率の向上につながります。
ポータルサイト経由の患者さんも、来院した時点でLINEの友だち追加に誘導してください。次回以降はポータルを通さずに直接予約が入るようになる。ポータルの新規集客力だけを使い、リピートは自力で回収する。これがポータル依存を下げる第一歩です。
ポータルをいきなりやめるのではなく、段階的に比率を下げる
ここまで読んで「よし、来月からポータルを解約しよう」と思った方がいるかもしれませんが、それはやめてください。自力集客の仕組みが育っていない段階でポータルを切ると、売上が急落します。
手順としては、まずGoogleマップの整備とLINEの運用を始める。自社サイトのメニューページを整える。これらを3〜6ヶ月続けて、ポータル以外の経路からの来院数を計測する。ポータルに頼らない来院が安定して入るようになってから、ポータルのプランを下げるなり解約するなりを判断する。
自力集客が月10件を超えたらポータルの見直し時期
「いつポータルを見直すか」の目安は、自力集客からの新規来院が月10件を安定的に超えたタイミングです。10件というのは一つの基準であり、院の規模や売上構成によって異なりますが、ポータル以外の経路でコンスタントに新規が来ている状態ができれば、ポータルの上位プランを下位プランに変更しても影響は限定的です。
いきなり解約するのではなく、まずプランのランクを一段下げて様子を見る。それで来院数に大きな変化がなければ、さらにもう一段下げる。最終的に無料プランだけで維持するか、完全に解約するかを判断する。この段階的なアプローチが、リスクを最小化する方法です。
来院経路の計測は忘れずに行ってください。予約時に「何を見て来ましたか」と聞くだけでも大まかな傾向はつかめます。Googleマップ経由、自社サイト経由、ポータル経由、紹介。これを月ごとに記録しておくと、どの施策が効いているかが数字で見えるようになります。
「紹介カード」は地味だが費用ゼロで効果が高い
デジタル施策の話が続きましたが、整骨院の集客で見落とされがちなのが「紹介」です。既存の患者さんが家族や知人を紹介してくれる。これは広告費ゼロで、しかも最初から信頼度が高い来院経路です。
紹介を仕組み化するために効果的なのが紹介カードです。名刺サイズのカードに院名と連絡先、「ご紹介いただいた方には初回〇〇円引き」と印刷して、既存の患者さんに2〜3枚ずつ渡す。紹介する側も「口で伝えるだけ」より、カードを渡す方がハードルが低い。
紹介カードの制作費はネット印刷で100枚1,000円程度。ほぼコストがかかりません。紹介で来た患者さんはリピート率も高い傾向があります。「あの人が通っているなら安心」という信頼が最初からあるため、初回で離脱する確率が低い。(派手な施策ではありませんが、紹介だけで月の新規が3〜5人入っている院も実際にあります)
紹介特典は割引だけでなく、紹介した側にも特典をつけると効果が上がります。「ご紹介いただいた方にも次回500円引き」のような双方向の特典があると、紹介する動機が強くなります。
最後に
ポータルサイトの掲載費が重いと感じているなら、自力集客の仕組みを育てながら、段階的にポータルへの依存度を下げていくのが現実的な戦略です。
Googleマップの情報を整えて口コミを集める。自社サイトに施術メニュー別のページを作る。LINE公式アカウントでリピート患者とつながる。紹介カードで口コミの連鎖を作る。どれも特別な知識や大きな費用は不要です。ポータルに月10万円払うより、その半分を自社サイトの整備やGoogleマップの運用に使った方が、長期的には手元に残る利益が増えます。
サイシアでは、整骨院のGoogleマップ対策・SEO対策・Web集客全般を支援しています。「ポータルへの依存を減らしたいが、どこから手をつけていいか分からない」という方は、整骨院向けSEO・LLMO対策のサービスページをご覧ください。現状の集客状況を整理するところからお手伝いします。