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クリニックHPのページ構成

クリニックのホームページで予約数を増やすために必要なページ構成。医師紹介の書き方、診療科目ページの作り方、Web予約への導線設計、医療広告ガイドラインの注意点を解説します。

クリニックHPのページ構成

クリニックのホームページは「予約するかどうか」を決める場所になっている

クリニックを探す患者の行動パターンは、ここ数年で完全に変わりました。Googleマップで近くの医院を見つけ、口コミを読み、気になったらホームページを開いて予約する。この流れが当たり前になっています。

総務省の令和5年版情報通信白書によると、スマートフォンの個人保有率は77.3%に達しています(出典 総務省 令和5年版情報通信白書)。患者はスマホでクリニックを検索し、ホームページを見て、そのまま予約するかどうかを決める。ホームページがない、あるいは情報が薄いクリニックは、そもそも比較検討の土俵に上がれません。

ただ、クリニックのホームページには一般企業のサイトとは違うルールがあります。医療広告ガイドラインです。何を書いていいか分からず、結局テンプレート的なサイトのまま放置しているクリニックは少なくありません。

医療広告ガイドラインで禁止されている表現を先に把握しておく

ホームページの内容を考える前に、医療広告ガイドラインで何が禁止されているかを押さえておく必要があります。2018年の医療法改正で、ホームページも広告規制の対象に含まれました。

厚生労働省が公表している「医療広告ガイドライン」では、虚偽広告、比較優良広告、誇大広告、体験談、ビフォーアフター写真(条件を満たさないもの)が禁止されています(出典 厚生労働省 医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書)。

具体的に書けない表現の例を挙げます。

  • 「絶対に治る」「100%改善」などの治療効果の保証
  • 「地域No.1」「日本一の実績」など根拠のない比較表現
  • 患者の体験談を掲載して治療効果を示すこと
  • 条件を満たさないビフォーアフター写真の掲載
  • 未承認の医薬品や治療法を推奨する表現

「限定解除」の仕組みを理解すれば書ける範囲は広い

ガイドラインには「限定解除」という仕組みがあります。一定の条件を満たせば、通常は広告できない情報もホームページに掲載できるというものです。条件は、患者が自ら求めて閲覧する情報であること、問い合わせ先が明記されていること、自由診療の場合は費用やリスクに関する情報を併記していること、など。

つまり、治療内容の詳しい説明、自由診療の費用、使用する機器の情報なども、条件を満たせば掲載可能です。「規制があるから何も書けない」は誤解で、正しいルールの中で書ける内容は十分にあります。(ガイドラインを怖がって何も載せないクリニックのホームページが一番もったいないです)

患者が見ているのは「この先生に診てもらって大丈夫か」

クリニックのホームページで、患者が一番じっくり見るのは医師紹介のページです。大きな病院と違い、クリニックは基本的に院長が一人で診療するケースが多い。患者にとって「どんな先生なのか」は、来院を決める最大の判断材料です。

医師紹介ページに載せるべき情報

載せるべきは、まず顔写真です。できればプロのカメラマンに撮ってもらった、白衣姿の写真。スマホ撮影でも構いませんが、暗い写真や背景が散らかった写真は避けてください。顔が見えないクリニックは信頼されにくい。

経歴は、出身大学、専門科目、勤務歴、資格・認定医の情報を時系列で記載します。「〇〇大学病院で〇年間〇〇科を担当」のように、具体的な勤務先と年数があると説得力が増します。

そしてもう一つ重要なのが、院長の言葉です。診療に対する考え方、患者との向き合い方を200〜300字程度で書いてください。長すぎる挨拶文は読まれませんが、短い一言があるだけで「この先生はちゃんと考えている人だ」という印象になります。学会発表の実績や論文があれば、それも信頼材料になります。

診療科目ページは「自分の症状に対応してくれるか」の答えになっていること

トップページに「内科・小児科・皮膚科」と並んでいるだけでは不十分です。それぞれの診療科目について、独立したページを用意する。これが予約率を上げるための基本構成です。

科目別ページに盛り込む内容

各診療科目のページには、対応する主な症状、診療の流れ、初診時に持ってくるもの、診療時間と受付時間を記載します。

たとえば内科であれば、「風邪、インフルエンザ、胃腸炎、高血圧、糖尿病、脂質異常症」など、具体的な疾患名を並べる。患者は「自分のこの症状を診てもらえるのか」を知りたくてページを開いています。疾患名がなければ、対応しているかどうかが分からない。

自費診療(健康診断、予防接種、AGA治療など)がある場合は、料金を明記してください。医療広告ガイドラインでも、自費診療は費用の明示が求められています。「詳しくはお問い合わせください」だけのページは、患者の離脱率が高くなります。

「地域名+診療科目」で検索されることを意識する

「渋谷 内科」「世田谷 皮膚科」のように、患者は地域名と診療科目の組み合わせで検索します。診療科目ごとにページを分けておくと、それぞれのページが地域名との掛け合わせキーワードで検索結果に表示されやすくなります。1ページに全科目を詰め込むと、どのキーワードにも中途半端にしかヒットしない。

Web予約への導線は「すべてのページから1タップ」が基準

ホームページを見て「ここに行こう」と思った患者が、次にやるのは予約です。この瞬間に予約ボタンが見つからなければ、患者は離脱します。

予約ボタンの配置で押さえるポイント

スマートフォン表示では、画面下部に固定の予約ボタン(電話とWeb予約の2つ)を常時表示させるのが効果的です。どのページを見ていても、親指が届く位置に予約導線がある。これだけで予約率は変わります。

パソコン表示では、ヘッダー(ページ上部の固定メニュー)に予約ボタンを配置する。ページの一番下にも予約情報を入れておく。患者はページを最後まで読んでから予約することもあるので、上と下の両方に導線を作ります。

Web予約システムを導入しているクリニックは、予約画面への遷移を極力シンプルにしてください。ボタンを押したら別サイトに飛んで、そこでまた会員登録が必要で、という手順が長いと途中で諦める患者が出ます。(「予約しようとしたけど面倒でやめた」という声、患者からは聞こえてこないだけで実際にはかなりあります)

電話予約も捨てない

Web予約が主流になりつつありますが、年配の患者は電話予約を好みます。特に高齢者が多い内科や整形外科では、電話番号をタップするだけで発信できる設定にしておくことが重要です。診療時間外に電話がつながらない場合は、Web予約への誘導メッセージを表示させると取りこぼしが減ります。

アクセスページは「迷わず来院できる」ことだけに集中する

住所と地図を載せるだけのアクセスページでは不十分です。患者が実際に来院する場面を想像して、必要な情報を揃えます。

Googleマップの埋め込みは必須です。加えて、最寄り駅からの徒歩ルートを写真付きで解説しているクリニックは、初診の患者にとって親切です。ビルのテナントに入っている場合は、ビルの外観写真と何階にあるかを明記する。「ビルの場所が分からなくて引き返した」という患者は実際にいます。

駐車場がある場合は台数と場所を明記。近隣のコインパーキングの情報を載せているクリニックもあります。車で来院する患者が多いエリアでは、この情報があるだけで来院のハードルが下がります。

院内の写真は「清潔感」と「安心感」を伝える最優先の素材

文章で「清潔な院内」「リラックスできる空間」と書いても、患者はピンときません。写真で見せる方がはるかに伝わります。

撮影すべきは、受付、待合室、診察室、外観の最低4カット。明るい照明のもとで、整理整頓された状態で撮影してください。待合室にキッズスペースがあるなら、それも大きなアピールポイントになります。小児科を併設しているクリニックなら特に効果的です。

写真の品質はスマートフォンで十分ですが、暗い写真や手ブレの写真は逆効果です。開業時にプロのカメラマンに撮影を依頼するクリニックは多いですが、それは正しい投資です。開業後も定期的に写真を更新すると、サイトの新鮮さが保たれます。

お知らせ・ブログは更新できる体制がないなら作らない

「お知らせ」や「院長ブログ」のコーナーを設けているクリニックは多いですが、最終更新が1年以上前で止まっているケースを本当によく見かけます。

更新が止まったブログは、逆に「このクリニック、ちゃんと営業しているのか」という不安を与えます。年末年始の休診案内やインフルエンザ予防接種の告知など、最低限のお知らせを月1回程度更新できるなら設置してください。それが難しいなら、ブログ機能はつけない方がいいです。

更新できるなら、季節性の疾患に関する情報(花粉症シーズンの対策、インフルエンザの流行状況など)を定期的に発信すると、検索経由の流入が増えます。ただし、これも「続けられるかどうか」が前提です。3ヶ月で止まるブログなら、やらない方がマシです。(「ブログを始めたけど3回で止まりました」という院長、数え切れないほどいます)

スマートフォンで見た時に使いやすいかどうかが最優先

クリニックのホームページを見る患者の7〜8割はスマートフォンからアクセスします。パソコンで綺麗に見えるサイトを作っても、スマホで文字が小さい、ボタンが押しにくい、読み込みが遅いとなれば意味がありません。

デザインの見栄えよりも、スマホで操作しやすいかどうかを優先してください。電話番号がタップで発信できるか。予約ボタンが画面内に常に見えるか。文字サイズは十分か。これらは実際に自分のスマホでサイトを開いて確認するのが確実です。

Googleもスマートフォンでの表示を基準にサイトを評価しています。パソコン向けのデザインだけ作り込んでスマホ対応が後回しになっているサイトは、検索結果でも不利になります。

最後に

クリニックのホームページに必要なページは、医師紹介、診療科目、予約導線、アクセス、院内写真。この5つの柱を軸に構成すれば、患者が「ここに行こう」と判断できるサイトになります。

医療広告ガイドラインは確かに制約がありますが、限定解除の仕組みを理解すれば、患者に必要な情報は十分に伝えられます。「規制が怖いから何も書かない」が一番の機会損失です。

サイシアでは、医療広告ガイドラインに準拠したクリニックのホームページ制作を行っています。原稿のガイドラインチェックも含めて対応していますので、開業準備中の方やリニューアルを検討している方はこちらからお気軽にご相談ください。

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