不動産HPの制作費用
不動産会社のホームページ制作にかかる費用の相場。物件データベース連動の有無、レスポンシブ対応、撮影費用など、見積もり時に確認すべきポイントを解説します。

不動産会社のホームページ、なぜこんなに見積もりの幅が広いのか
「ホームページを作りたい」とWeb制作会社に相談すると、30万円と言われることもあれば300万円の見積もりが出ることもある。不動産業界のホームページ制作は、他の業種に比べて費用の幅がとにかく広い。
この差が生まれる最大の原因は「物件情報の管理をどうするか」です。物件データを手動で更新するシンプルなサイトと、不動産ポータルや管理システムと自動連動するサイトでは、開発の手間がまるで違う。ここを理解しないまま見積もりを取ると、安すぎる業者に頼んで使い物にならないサイトができるか、高すぎる業者に必要のない機能を売りつけられるかの二択になりかねません。
不動産会社のホームページ制作費用は、大きく3つのパターンに分けて考えるのが分かりやすいです。
テンプレート型サイト 30〜80万円
WordPressのテンプレートをベースにして、自社の情報やデザインに合わせてカスタマイズするパターンです。不動産業界向けのWordPressテーマは複数あり、物件一覧の表示機能が最初から組み込まれているものもあります。
この価格帯で作れるサイトの特徴は以下の通りです。
- トップページ、会社概要、スタッフ紹介、物件一覧、アクセス、お問い合わせの6〜8ページ程度
- 物件情報はWordPressの管理画面から手動で登録・更新
- レスポンシブ対応(スマートフォン表示)は標準
- 基本的なSEO設定は対応済み
30万円前後だとデザインの自由度が低く、他社と似たような見た目になりやすい。50〜80万円になると、トップページのデザインをオリジナルで作り込んだり、物件の検索機能を強化したりできます。
物件数が30件以下ならテンプレート型で十分
取り扱い物件数が少ない不動産会社(売買仲介で常時掲載が30件以下など)は、テンプレート型で十分です。物件情報の更新は手動になりますが、30件程度なら管理の手間もそこまで大きくない。まずはこの価格帯で始めて、物件数が増えてきたら次のステップに進む、という考え方もあります。
オリジナルデザイン+物件管理機能 80〜200万円
会社のブランドイメージに合わせたオリジナルデザインで制作し、物件情報の登録・管理がしやすい専用の管理画面を構築するパターンです。ここが不動産会社にとって最もバランスの良い価格帯です。
この価格帯で実現できることは多い。
- フルオリジナルデザイン
- 物件の条件検索(エリア・価格帯・間取り・駅距離など)
- 物件ごとに写真を20枚以上登録可能
- スタッフごとの担当物件表示
- お客様の声ページ
- エリア情報ページ(地域ごとの住環境紹介)
- お気に入り物件の保存機能
- 問い合わせフォームと物件の自動紐付け
100万円を超えると、物件の管理画面が充実してきます。CSVでの一括登録、物件ステータスの管理(販売中・商談中・成約済み)、自動での掲載終了。日々の物件更新作業が効率化されるので、スタッフの手間が大幅に減ります。
物件データベース自動連動型 150〜300万円
不動産連合隊やレインズ、いえらぶCLOUDなどの物件データベースと自社サイトを自動連動させるパターンです。ポータルサイトに掲載した物件情報が自社サイトにも自動で反映される。物件数が多い不動産会社にとっては、この仕組みがないと運用が回りません。
自動連動の仕組みを入れると、以下のようなことが可能になります。
- ポータルサイトへの掲載と自社サイトの更新が一度の作業で完了
- 物件情報の更新漏れ(価格変更や成約済みの反映忘れ)がなくなる
- 数百件〜数千件の物件を自社サイトに掲載できる
- 物件の新着情報が自動でトップページに反映
ただし、連動の開発費用はかなり高い。APIの接続開発やデータの変換処理が必要で、ここだけで50〜100万円かかることもあります。さらに月額の保守費用も1〜3万円程度発生するのが一般的です。
「物件連動が必要かどうか」が最大の分岐点
見積もり時に最も重要な判断ポイントがここです。取り扱い物件数が100件を超えて、ポータルサイトへの掲載も並行して行っている場合は、自動連動を入れた方が長期的にはコストが安くなります。手動更新だと物件の登録・修正・削除に毎日1〜2時間かかることもある。人件費に換算すると月に10万円以上。1年で120万円以上を更新作業に費やしていることになります。
一方、物件数が少ない会社や、賃貸管理が中心で掲載物件の入れ替えが少ない会社は、手動管理で十分です。不要な機能に100万円以上払うのはもったいない。
ポータルサイトの掲載費と比較してみる
不動産業界のWeb集客コストを考えるとき、ポータルサイト(SUUMO、HOME'S、アットホームなど)の掲載費との比較は避けて通れません。
ポータルサイトの掲載費用は地域や掲載件数によって異なりますが、おおよその目安はこうなっています。
- SUUMO 月5〜30万円(掲載枠数とエリアによる)
- HOME'S 月3〜20万円(反響課金の場合、1反響あたり数千円)
- アットホーム 月2〜15万円
中堅の不動産会社だと、ポータルサイトへの掲載費用を合計して月20〜50万円支払っているケースも珍しくありません。年間で240〜600万円です。
自社ホームページの制作費が150万円だとしても、ポータルの年間掲載費よりは安い。しかもホームページは一度作れば5年は使える。年間の維持費(サーバー代・ドメイン代・SSL証明書)は3〜5万円程度。ポータルサイトの「毎月の家賃」とはまったく構造が違います。
もちろん、ポータルサイトには圧倒的な集客力があるので、いきなり掲載をやめるのは現実的ではありません。ただ、自社サイトが育ってくれば、ポータルの掲載プランを段階的に下げることは十分に可能です。
写真撮影費は別途かかることが多い
ホームページ制作費に写真撮影が含まれていない業者は多いです。事前に確認が必要な項目です。
不動産会社の場合、撮影が必要なのは以下の2種類。
- 会社・スタッフの撮影 5〜10万円程度。会社の外観、オフィス内、スタッフのポートレート
- 物件撮影 1物件あたり1〜3万円。室内、外観、周辺環境
会社・スタッフの撮影は一度やれば3〜5年使えます。物件撮影は新規物件ごとに必要ですが、主力物件だけプロに撮影してもらい、それ以外は自社のスマートフォンで撮るという使い分けが現実的です。
(物件写真のクオリティはポータルサイトでの反響数にも直結します。自社サイト用に撮った写真をポータルにも流用すれば、一石二鳥です)
月額の運用・保守費用の相場
ホームページは作って終わりではなく、継続的な運用・保守が必要です。月額費用の相場は以下の通りです。
- サーバー・ドメイン費用 月3,000〜5,000円
- CMS(WordPress等)のアップデート・セキュリティ対応 月5,000〜15,000円
- 物件データ連動の保守 月10,000〜30,000円(連動型の場合)
- コンテンツ更新の代行 月10,000〜30,000円(依頼する場合)
合計すると月1〜5万円程度。物件連動型の場合はもう少し高くなります。自社でWordPressの更新作業ができるなら、サーバー・ドメイン代だけで月3,000〜5,000円に抑えることもできます。
見積もり時に確認すべき5つのポイント
Web制作会社に見積もりを依頼する際、不動産会社として確認しておきたいポイントをまとめます。
- 物件管理の仕組み 手動入力か、CSVインポートか、外部システム連動か。自社の物件数と運用体制に合った方法を選ぶ
- レスポンシブ対応 不動産の検索はスマートフォンからが主流。スマートフォンでの表示・操作性は必ず確認する
- 写真撮影の有無 制作費に含まれているのか、別途費用が必要なのか
- 公開後のサポート体制 物件情報の更新方法のレクチャー、トラブル時の対応範囲
- SEO対策の範囲 基本的なSEO設定(ページタイトル、メタ情報、検索エンジン向けのデータ整備)が含まれているか
この5つを確認するだけで、「思っていたのと違った」というトラブルの大半は防げます。
最後に
不動産会社のホームページ制作費用は、テンプレート型で30〜80万円、オリジナル型で80〜200万円、物件連動型で150〜300万円が相場です。最大の分岐点は「物件情報の管理をどうするか」。取り扱い物件数と運用体制に合わせて、最適なパターンを選ぶことが重要です。
ポータルサイトに年間数百万円を支払い続けることを考えれば、自社ホームページは「一度作れば長く使える資産」。最初の投資額は大きく感じるかもしれませんが、長期的に見れば確実にコスト効率のいい選択です。
サイシアでは、不動産会社に特化したホームページ制作を行っています。物件管理機能の選定からポータル連動の設計まで、ワンストップで対応可能です。費用感を知りたい方は不動産会社のホームページ制作 サービス詳細はこちらからお気軽にご相談ください。