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AI時代、ブログを書き続ける意味

ChatGPTやAI Overviewで検索のされ方が変わる中、ブログを書き続ける価値はあるのか。アクセス数だけでは測れない3つの新しい資産と、書くべき記事の条件を整理します。

SEO・LLMO

「ブログを書いてもPVが伸びない」と感じているなら、仕組みが変わっている

コーポレートサイトのブログを定期的に更新してきたのに、ここ1年ほどアクセスが伸びなくなった。むしろ下がってきた。こんな感覚を持っている経営者や担当者は多いはずです。

これは書き手の努力不足ではなく、検索のされ方そのものが変わった結果です。Googleの検索結果の一番上に「AIによる概要」が出るようになり、ChatGPTやPerplexityに直接質問する人も増えた。従来なら記事をクリックして読んでいた人が、AIの要約だけで答えを得て離れていく。

つまり「書けば書くほどPVが増える」という前提が崩れた。ここを踏まえずに昔と同じやり方でブログを量産すると、工数だけかかって成果が見えない状態に陥ります。

ただ、ブログ自体が無意味になったわけではありません。役割が変わった、というのが正確です。

AIが「記事を読む前の要約」を担う時代に入った

変化の中心にあるのは、検索ユーザーの行動パターンが変わったことです。

検索結果の上部にAI要約が出るのが当たり前になった

「○○とは」「△△のやり方」といった情報系の検索では、GoogleのAI Overview(検索結果上部のAI要約)が先に表示されます。ユーザーはそこに書かれた要点を読むだけで目的を達成できてしまう。

その要約の材料として参照されるのは、結局のところ世の中のブログ記事やサイトです。つまり、自社の記事は「直接読まれる」のではなく「AIに読まれて要約される」側に回った。

ChatGPT・Perplexity で「検索せずに聞く」行動が広がった

経営者や担当者レベルでも、わざわざGoogleを開かずにChatGPTで質問する使い方が定着しつつあります。「税理士を探している」「このサービスについて教えて」といった相談的な検索ほど、AIに流れていく傾向が強い。

ここでAIが引き合いに出すのも、Web上に存在するコンテンツです。自社の情報がAIに拾われなければ、そもそも選択肢にすら入らない時代になりつつあります。

アクセス数だけで成果を測るのは限界

「記事を書いたのにPVが増えない」という嘆きは、アクセス解析の数字だけを見ている限り正しい。ただ、その数字の裏では、AIに要約されて引用されたり、社名で指名検索されて直接問い合わせに至ったりしている。ここが新しい評価軸です。

それでもブログを書く意味は「3つの別の資産」に変わった

PVが伸びなくなったのに、それでもブログを書く理由は何か。従来の「検索流入を増やす」という目的に代わって、3つの新しい資産の積み上げが意味を持つようになりました。

AIに引用される材料としてWeb上に存在する必要がある

ChatGPTやGoogleのAIは、Web上のコンテンツを材料にして回答を組み立てます。自社のサービスや専門性に関する情報がWeb上に存在しなければ、AIは引用しようがない。

「○○な業者を探している」とユーザーが質問したときに、自社の名前が挙がるかどうかは、自社に関する情報の量と質で決まります。ブログはその材料を蓄積する場として、新しい役割を担うようになりました。

専門性と経験の証拠として検索エンジンに評価される

Googleは「経験・専門性・権威性・信頼性」という基準でサイトを評価しています。現場で培った具体的な知見、実際のトラブル対応の記録、数字の入った事例。こうした情報が記事として積み上がっていると、Googleから「この会社はこの分野に詳しい」と認識されやすくなる。

この評価は、特定のキーワードで上位表示されるかどうかだけでなく、会社名で検索されたときの表示内容や、Googleビジネスプロフィールの表示順位にも影響します。

問い合わせ前の見込み客が「この会社に頼めそう」と判断する根拠になる

これは昔から変わらない価値ですが、むしろ重要性は増しています。問い合わせをする前の見込み客は、ほぼ確実に会社名やサービス名で検索して、Webサイトとブログを読んでいます。

そこで「現場の実務が書かれた記事」「数字や失敗談まで書かれた記事」があると、信頼感が一段階上がる。逆に、どこにでもある一般論を並べただけの記事が並んでいると、「この会社、本当に詳しいのかな」と不安になります。AIで記事内容が手軽に確認される時代は、この印象操作がより厳しく効きます。

書くべきテーマは「量」から「解像度」へ振れた

書く記事の種類も、従来のやり方では通用しなくなりました。

一般的なキーワードは大手メディアとAIに負ける

「SEOとは」「ホームページ制作の費用」といった一般的なキーワードは、大手メディアが網羅的な記事を出しています。その上でAI Overviewが要約を見せるため、中小企業の記事がクリックされる余地はほぼ残っていない。

ここに工数を投じるのは、ほとんど無駄に近い。書いても読まれず、検索エンジンにも評価されず、AIにも引用されない結果になります。

現場の経験・数字・事例でしか書けない記事が評価される

逆に、大手メディアやAIが書けない記事があります。「実際に自社で対応した具体的なケース」「業界ならではの数字」「現場でしか分からない注意点」。こうした一次情報は、その会社にしか書けない。

たとえば税理士事務所なら、「創業◯年の建設業の決算書をこう組み替えたら銀行の評価が変わった」といった事例は、その事務所にしか書けません。こういう記事こそ、AIが引用しやすく、見込み客が信頼を寄せやすい。

抽象的な解説記事は書くだけ損になりやすい

「○○のメリット・デメリット」「△△の7つのポイント」といった抽象的な解説記事は、検索ボリュームが大きく見えて実は競合も多い。そして中身はAIでも書ける水準になりがちです。

書けば書くほど、薄い記事がサイト全体の評価を下げる原因にもなります。

月1本でいいので深い記事を書くほうが、月10本の薄い記事より効く

「量より質」は昔から言われていましたが、AI時代になってこの原則がさらに強まりました。

深い記事は被リンク・引用・AI参照のいずれでも効く

業界の関係者が「この記事は参考になる」と感じるレベルの記事は、他サイトからリンクされやすく、SNSで共有されやすく、AIにも引用されやすい。結果として、1本の記事が数年にわたって価値を発揮する資産になります。

薄い記事はサイト全体の評価を下げる

Googleは「低品質なコンテンツが多いサイト」そのものを評価しにくくなっています。月10本の薄い記事を書くと、その10本が他の記事の評価まで引きずり下げる。

既存の記事をリライトする、古い記事を削除する、といった整理の時間を取るほうが、新しい薄い記事を書くより効果的なケースが増えています。

続ける判断は「PV」ではなく「指名検索と直接問い合わせ」で見る

ブログを続けるべきか迷っているなら、指標を変えてください。PVや検索順位だけで判断すると、AI時代には「伸びていない」としか見えなくなります。

社名や担当者名での検索が月ごとに増えているか

Googleサーチコンソールで「会社名」での検索回数を追ってください。ブログを書き続けて半年〜1年経つと、社名や担当者名での検索(指名検索)が増えているはずです。これはAIや他の媒体で自社が言及された結果として発生している。

「記事を読んで問い合わせた」という声が入っているか

問い合わせフォームで「どこで弊社を知りましたか」を聞くのは有効です。「ブログ記事を読んで」「ChatGPTで聞いたら御社の名前が出た」といった声が入っているなら、コンテンツは効いている証拠です。

PVは伸びていなくても、こうした質的な反応が増えているなら、書き続ける意味があります。逆にどちらの指標も動かないなら、書いている内容の方向性を見直すサインです。

最後に

ブログを書く目的は、「PVを増やすこと」から「AIに引用される材料と、見込み客が信頼できる根拠を積み上げること」に変わりました。書き続けるなら、月1本でも深い記事を狙う。書くのをやめるなら、代わりに指名検索や問い合わせを増やす別の手を打つ。どちらにしても、昔ながらの「週1でブログを書こう」というやり方は通用しにくくなっています。

サイシアでは、AI時代に効くコンテンツの企画から執筆、既存記事の整理までご相談を受けています。「ブログを続けるべきかどうか」の判断からでも構いません。お気軽にお問い合わせください。

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