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ホームページ制作費、料金帯別の違い

同じ「ホームページ制作」でも見積もりが10倍違うのはなぜか。30万円・100万円・300万円の3つの料金帯で、何が含まれて何が含まれないか、どんな会社に向いているかを整理します。

Web制作

「同じホームページなのに見積もりが10倍違う」のはなぜか

3社から見積もりを取って、30万円・100万円・300万円と金額が大きく開いて戸惑う経営者は多いです。内容を見ると、どれも「10ページのコーポレートサイト」「WordPressで構築」と書かれていて、素人目には違いが分からない。

ただ、中身を分解していくと、料金帯ごとにやっている作業はまったく別物です。「同じホームページ」に見えて、実は目的も設計思想も違うものを提案されている。自社が何を求めているかによって、どの料金帯を選ぶかは変わります。

ここでは30万円帯・100万円帯・300万円帯の3つに分けて、何が含まれるか、どんな用途に向くかを整理します。

30万円帯はテンプレート組み込みが中心の「とりあえず持つ」水準

この価格帯でできるのは、既存のテンプレート(雛形)にテキストと画像を流し込む作業です。

要件定義や情報設計はほぼ入らない

「どんなターゲットに」「何を訴求して」「どんな導線で問い合わせにつなげるか」といった設計工程は、この価格帯では基本的に省かれます。発注側が提供した文章と写真を、既成のデザインに当てはめていく作業が中心です。

ヒアリングの時間もごく短く、30分〜1時間程度のオンライン打ち合わせで要件を固めて制作に入るケースが多い。デザインの選択肢は「テンプレートA/B/Cからお選びください」という形式になることが一般的です。

オリジナル性や戦略性は期待しにくい

既存のテンプレートをベースにしているため、同業他社と似たデザインになりがちです。「他社と差別化したい」「ブランドイメージを作りたい」という要望がある場合、30万円帯では実現しにくい。

また、検索エンジンからの流入を意識したページ設計や、問い合わせを最大化する導線設計も限定的です。最低限「スマホで見られる」「お問い合わせフォームが動く」までが守備範囲と考えてください。

向いているのは「名刺代わり」の用途

営業資料として「とりあえずURLを渡せるサイト」が必要な会社、取引先から会社情報を確認される目的で作る会社。こういった「存在証明」としての用途なら、30万円帯で十分機能します。

逆に「Webから新規問い合わせを増やしたい」「採用応募を伸ばしたい」という目的があるなら、この価格帯では物足りません。実際、30万円で作って1年以内に作り直しになるケースは珍しくない。

100万円帯は設計とヒアリングが入る「成果を狙う」水準

ここから先は、テンプレートの組み込みではなく、設計からオリジナルで作る領域に入ります。

要件定義・情報設計が独立した工程として入る

サイトの目的を明確にするヒアリング、ターゲット像の整理、サイトマップの設計、各ページのワイヤーフレーム作成。これらが独立した工程として組まれます。全体の15〜20%が要件定義・情報設計の費用として計上されるのが一般的です。

この工程があると、「なんとなくかっこいいサイト」ではなく「特定の目的に最適化されたサイト」が出来上がります。問い合わせ数や採用応募数といった数字で成果を測れるサイトになる、ということです。

オリジナルデザインで競合との差別化ができる

この価格帯ではテンプレートを使わず、会社のブランドや業種特性に合わせてゼロからデザインを起こします。デザインカンプの段階で2〜3案から選べるケースも多い。

色使い・写真の撮り方・フォントの選定まで含めて、自社のイメージに合わせた表現ができる。この「他社と違う見た目」が、閲覧者の記憶に残るかどうかを左右します。

検索エンジン対策とスマホ最適化が前提で組まれる

Googleからの流入を意識した内部構造、表示速度への配慮、スマートフォンでの操作性まで、基本的な対策がデフォルトで入ってきます。また、アクセス解析ツール(Google Analytics など)の設置と初期設定もこの価格帯なら標準です。

向いているのは「Webで成果を出したい」中小企業

新規顧客の開拓、採用ブランディング、IR的な情報発信。こうした明確な目的を持つ中小企業にとっては、100万円帯が費用対効果のバランスが最も良い。

コーポレートサイトのリニューアルで相談される会社の7〜8割は、この価格帯で収まります。

300万円帯は戦略設計と独自機能が入る「武器にする」水準

この価格帯からは、ホームページが「事業の一部」として機能する設計になります。

市場調査・競合分析・コンセプト設計から入る

発注前のヒアリングだけでなく、競合サイトの調査、市場でのポジショニング分析、サイト全体のコンセプト設計。ここに数十万円単位の工数がかかる。「どんなサイトを作るか」の前に「どんなブランドに見せるか」が固まります。

ブランドサイトやサービスサイトで、世の中に対する印象そのものを設計したい会社向けです。

独自機能の開発が可能になる

予約システム、会員機能、カスタム検索、申し込みフローの自動化、外部システムとの連携。こうした独自機能を入れると、100万円帯では収まりません。機能の複雑さに応じて100〜300万円が加算されるイメージです。

ブランドサイト・サービスサイトの設計思想

300万円帯のサイトは、「売上を生む装置」としての役割を持ちます。Webからの直接売上や問い合わせが、事業の柱の一つになっている会社に向いています。採用サイトを独立して作る場合や、複数ブランドを展開している会社のサービスサイトも、この価格帯に入ることが多い。

料金の差額の正体は「ディレクション」と「情報設計」

30万円と100万円、100万円と300万円の差額は、どこで発生しているのか。項目別に見ると分かりやすいです。

デザイン費とコーディング費の差はそこまで大きくない

10ページ規模のサイトなら、デザインとコーディングの工数はどの価格帯でも大きくは変わりません。差額の大部分を占めているのは、ディレクション費・要件定義費・情報設計費です。

「誰が設計を担当するか」で金額が変わる

経験の浅いデザイナーが1人で完結する案件と、ディレクター・デザイナー・コーダーが分業で進める案件では、かかる工数がまったく違います。複数人が関わるほど打ち合わせや確認のコストも増える。ただし、その分だけ抜け漏れが減り、成果物の精度は上がります。

公開後のサポート体制も差が出る部分

300万円帯の契約には、公開後の運用設計や月次レポート・改善提案が含まれることが多い。単発の制作ではなく、継続的にサイトを伸ばしていく前提で組まれています。100万円帯の制作会社でも保守契約で継続支援は可能ですが、戦略面での関わりは薄めになります。

見積もりを取る前に決めておくべきことは2つだけ

複数の見積もりを比較する前に、自社の中で決めておくべきことがあります。これが固まっていないと、どの見積もりを選んでも満足度は下がります。

ホームページで何を達成したいか

新規の問い合わせを月10件取りたい、採用応募を月5件に増やしたい、既存取引先への信頼を保ちたい。目的によって必要な機能も情報量も変わります。「とりあえず作る」で始めた案件は、ほぼ必ず途中で方向転換が発生します。

公開後に誰が運用するか

社内にWeb担当者がいるのか、兼務なのか、制作会社に運用も丸投げするのか。これによって、CMSの設計や保守契約の内容が大きく変わります。公開してからが本番なので、運用体制を決めずに制作を発注するのは危険です。

「30万円で作って、1年後に100万円で作り直した」例は珍しくない

価格だけで選んで失敗する典型的なパターンが、30万円帯で作ったあとに目的と合わないことが分かって作り直すケースです。結局トータルで130万円かかるうえ、1年分の機会損失が発生する。

逆に、明確な目的がない状態で300万円帯を選ぶと、過剰投資になります。使わない機能を入れて、運用もできず、年間数十万円の保守費だけ払い続ける。

自社の段階と目的に合った料金帯を選ぶのが一番コストパフォーマンスが良い、というのが結論です。

最後に

ホームページの料金帯は、30万円・100万円・300万円でやっている作業がまったく違います。価格だけで比較せず、「自社が何を達成したいか」「公開後に誰が運用するか」を先に決めてから見積もりを取るのが合理的です。

サイシアでは、目的と予算に応じて、どの料金帯が適切かの判断からご相談を受けています。複数社の見積もりを並べて比較したい場合も、中立的な視点でお手伝いします。お気軽にお問い合わせください。

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