ホームページ保守管理、月額費用の中身
ホームページの保守管理費として毎月払っているお金が、具体的に何に使われているか分からない経営者向け。監視・更新・改修の3領域に分けて、月額費用の内訳と相場を整理します。
「月額3万円」の中身が見えないから不満が生まれる
ホームページを制作した会社から「月額2〜5万円の保守管理契約も一緒にどうぞ」と案内されるのはよくある話です。契約したものの、毎月何をやってもらっているのかが見えず、「これ本当に必要なの?」と感じながら払い続けている経営者は少なくありません。
実際、弊社への相談でも「前の制作会社に月3万円払っていたけど、何をしてくれているのか聞いても要領を得なかった」というケースが多いです。ただ、内訳を分解してみると、保守管理費はおおむね3つの領域に分かれています。「サーバー・セキュリティの監視」「システム・プラグインの更新」「軽微な修正・コンテンツ反映」。この3つのどこまでを含むかで月額は大きく変わります。
ここでは、保守管理費の中身を領域ごとに開けて見せます。自社のホームページに月いくら払うのが妥当かを判断する材料になるはずです。
サーバー・ドメインまわりの管理は止まったら即ビジネスに直結する
保守管理の土台になるのが、サーバーとドメインの維持です。地味ですが、ここが止まるとホームページそのものが表示されなくなります。
サーバー利用料・ドメイン更新費は管理費に含まれているとは限らない
「月額保守3万円」の中にサーバー代とドメイン代が含まれているかは、契約ごとに違います。含まれていない場合、別途年間1〜3万円が追加で発生している。まずは契約書の中身を確認するのが先です。含まれていないのに重複して払っているケースもあります。
SSL証明書の期限切れはアクセス遮断に直結する
ホームページのURLが https:// で始まるのは、SSL証明書という仕組みで通信が暗号化されているからです。この証明書は1年〜2年で期限切れになり、更新を忘れるとブラウザで「このサイトは安全ではありません」と警告が出て、訪問者が入れなくなります。
無料のSSL(Let's Encrypt など)を使っていれば自動更新されるケースが多いですが、有料の証明書を使っている場合は誰かが更新作業をやらなければなりません。保守管理契約にはこの更新監視が含まれていることが一般的です。
定期バックアップがなければ万一の復旧ができない
ホームページが改ざんされたり、サーバー障害で消えたり、CMS更新で動かなくなったり。こうしたトラブルが起きたときに、直前の状態に戻せるかどうかはバックアップの有無で決まります。
週次または日次のバックアップを自動取得しておけば、最悪でも数日前の状態には戻せます。バックアップが一切ない状態で障害が起きると、一から作り直しになって数十万円の損害につながる。保守管理の中でも、一番「見えないけど効いている」部分です。
セキュリティ対策は放置すると「乗っ取り」と「改ざん」の原因になる
WordPress などのCMSを使っているホームページは、定期的なアップデートを怠るとセキュリティ上の穴が広がっていきます。
WordPress本体・プラグインの更新は月1回が目安
WordPressは本体もテーマもプラグインも、数週間〜数か月ごとに更新が公開されます。更新の多くはセキュリティの脆弱性を塞ぐためのものです。これを放置すると、外部から不正ログインされたり、サイトの一部が改ざんされて怪しい外部サイトへ誘導するコードが仕込まれたりします。
ただし、プラグインの更新はサイトの表示崩れや機能停止を引き起こすこともあります。「更新ボタンを押したら管理画面に入れなくなった」という相談は本当によく来ます。ステージング環境(本番とは別の確認用環境)で動作チェックしてから本番に反映する、というのが安全な進め方です。この作業を社内でやるのは現実的ではないので、保守管理契約で対応してもらうのが合理的です。
乗っ取り・改ざんの検知は早いほど被害が小さい
万一サイトが改ざんされた場合、発見が早ければ早いほど復旧コストは安く済みます。保守契約には「定期的な異常検知」が含まれていることが多い。具体的には、管理画面のログイン履歴の確認、見慣れないファイルの有無、外部への通信の監視などです。
気づかずに放置すると、Google から「このサイトは危険」と判定されて検索結果に警告が表示される、という最悪のパターンに至ります。そうなると復旧まで1か月以上かかることもあります。
表示速度・エラー監視は訪問者が気づく前に直す仕事
見た目に分かりにくい部分ですが、「訪問者が気づく前に異変を察知して直す」のも保守管理の仕事です。
表示速度の劣化は検索順位に影響する
コンテンツが増えたり、画像が重くなったり、プラグインが増えたりすると、ページの表示速度は徐々に遅くなります。Google は表示速度を検索順位の判断材料に使っているため、放置すると検索結果で下がっていきます。
月に一度、画像の軽量化やキャッシュ設定の見直しをしておくだけで、この劣化はかなり防げます。
リンク切れ・404エラーは営業機会の損失
お問い合わせページへのリンクが壊れている、資料ダウンロードのボタンが動かない、画像が表示されていない。こうした小さな不具合は、社内の人間は気づきにくい一方で、訪問者にとっては「この会社大丈夫?」という不信感に直結します。
月次でリンク切れ検査ツールを回して、壊れている箇所を直す。地味ですが、問い合わせ数に効く作業です。
コンテンツ更新・軽微な改修は「社内で手が出せない部分」を補う
保守管理契約の本体は監視と更新ですが、プランによっては軽微な改修作業も含まれます。
テキストの修正・画像の差し替え
「代表メッセージの文言を変えたい」「スタッフ写真を差し替えたい」「料金表の金額を更新したい」。こうした軽微な作業は、WordPress の管理画面から自社でできる場合もありますが、「触ると何か壊しそうで怖い」という経営者が多い。保守契約で月1〜2時間分の作業枠を確保しておくと、気兼ねなく依頼できます。
お知らせ・実績・ブログの追加
お知らせや施工事例、ブログ記事などの追加は、WordPress を操作できれば自社でもできる作業です。ただし「文章は作るけど、投稿作業は面倒」という会社も多く、投稿代行まで保守プランに含めるケースがあります。
フォーム修正・バナー追加などの軽微な改修
お問い合わせフォームに項目を1つ追加する、トップページにキャンペーンバナーを出す、電話番号を変える。こうした小さな改修も保守プランでカバーされることがあります。プランによっては「月○時間まで」「○件まで」という上限が設定されている。
大規模な改修(新規ページの追加、デザインの刷新など)は保守の範囲外になることが多く、別途見積もりです。
月額の相場は5千円〜5万円、含まれる作業量で大きく変わる
保守管理費は、どこまでの作業を含むかでレンジが大きく分かれます。
月5千〜1万円は「監視・最低限の更新のみ」
サーバー監視、SSL更新、バックアップ、CMSの定期アップデートまで。改修作業は含まれず、何かあれば都度見積もりになる。小規模なコーポレートサイトで、更新頻度がほぼないなら、この価格帯で十分です。
月1〜3万円は「監視+軽微な修正」
上記に加えて、月1〜2時間分のテキスト修正・画像差し替え・お知らせ投稿の代行が含まれる。中小企業のコーポレートサイトで最も多い契約帯です。
月3〜5万円は「改修・コンテンツ制作込み」
さらにバナー制作、ランディングページの軽微な作成、アクセス解析のレポートまで含むプラン。採用サイトを運用している会社や、継続的にコンテンツを出したい会社に向いています。
月5万円以上は「運用パートナー」
月次の改善提案、PVや問い合わせの数値分析、戦略的なコンテンツ企画。ここまで来ると「Web担当者を外注している」という感覚に近い。Webからの売上が事業の柱になっている会社向けです。
保守契約を解約した会社ほど、あとで払う金額は大きい
「毎月払っているけど、何もしてくれていない気がする」という理由で保守契約を打ち切る会社を何社も見てきました。その後どうなるかというと、1〜2年以内にほぼ例外なく大きなトラブルが発生します。
サイトが改ざんされて復旧に30万円、WordPress の更新を放置したせいで管理画面が開かなくなって再構築に50万円、ドメイン更新を忘れてサイトが数日落ちて営業機会を失う。保守に払っていた年間数十万円の何倍もの損失が、一気に発生するパターンです。
保守管理は「何もなかったとき」の費用対効果が見えにくい契約です。ただ、「何かあったとき」に初めて価値が見える。火災保険に近い性格のものだと考えてください。
最後に
ホームページの保守管理費は、監視・更新・改修という3つの領域をどこまで含むかで金額が変わります。毎月払っているお金の中身が見えないと感じているなら、まず契約書を確認して、どの領域までがカバーされているかを把握するのが先決です。含まれていない領域があれば、そこは別途対応が必要です。
サイシアでは、保守管理の内訳を明確にしたうえで、会社ごとの更新頻度や運用体制に合わせたプランを組んでいます。今の保守契約が適正かどうかの相談だけでも大丈夫です。お気軽にお問い合わせください。