ホームページリニューアルのチェックリスト
ホームページのリニューアルで確認すべき項目を、発注前・制作会社選び・制作中・公開直前・公開後の5段階に分けて整理。特に検索順位を落とさないための公開前チェックを具体的にまとめます。
リニューアルの失敗は「確認漏れ」から起きる
ホームページのリニューアルでうまくいかなかったという話を聞くと、原因はデザインの好みではなく、確認しておくべきことを確認しなかった、という単純なケースがほとんどです。
特に多いのが公開直前の確認漏れです。見た目は新しくなったのに、公開した翌月から問い合わせがゼロになった。検索順位が一気に落ちた。こうした事故は、事前に手順を踏んでいれば防げたものばかりです。
ここでは、リニューアルの進行に沿って確認すべき項目を5段階に分けて整理します。リニューアルをやるべきタイミングそのものの判断基準はホームページリニューアルのタイミングにまとめているので、まだ実施を決めきれていない段階の方はそちらを先に読んでみてください。
発注前に決めておく項目
制作会社に相談する前に、社内で決めておくことがあります。ここが曖昧なまま話を進めると、見積もりが比較できず、制作中の手戻りも増えます。
- リニューアルで解決したい課題を1つに絞る(問い合わせを増やす、採用に使う、古い情報を直す、など)
- 成果をどの数字で測るか決める(問い合わせ件数、資料請求数、採用応募数)
- 予算の上限と、そこに保守費用を含めるかどうか
- 公開したい時期と、その理由となる社内の事情
- 社内の窓口を1人に決める(複数人が別々に指示を出すと必ず揉めます)
- 今のサイトで残したいページと、消していいページの仕分け
- 写真素材を新しく撮るかどうか
- 原稿を自社で書くか、制作会社に任せるか
- 公開後に誰が更新するか
- ドメインを変えるか、今のまま使うか
最後の項目は特に重要です。ドメインを変えると、それまで積み上げた検索評価が引き継がれるまで時間がかかります。変える明確な理由がないなら、今のドメインを使い続けるのが無難です。
制作会社を選ぶときに確認する項目
相見積もりを取る段階では、金額だけでなく次の点を揃えて聞いておくと比較しやすくなります。
- 同じ業種、または近い規模の会社の制作実績があるか
- 見積もりにデザイン費と実装費が分けて書かれているか
- 写真撮影と原稿制作が含まれているか、別途か
- 公開後の修正は何回まで無料か
- 保守契約の内容と月額、契約期間の縛りがあるか
- ドメインとサーバーの契約名義が自社になるか
- サイトのデータやアカウント情報を引き渡してもらえるか
- 担当者が公開後も変わらず対応してくれるか
名義の項目を軽く見ないほうがいいです。制作会社の名義でドメインを取得されていて、乗り換えたいときに移管に応じてもらえない、という相談は今も定期的にあります。
制作中に確認する項目
デザイン案が出てきてからが本番です。ここで見るべきなのは好みではなく、使う人が迷わないかどうかです。
- スマートフォンでの表示を実機で確認したか(パソコンの画面を縮小して見るのとは別物です)
- 問い合わせボタンがどのページからでも押せる位置にあるか
- 電話番号がタップで発信できるようになっているか
- 文字が小さすぎないか、背景と文字のコントラストが十分か
- 残すと決めたページが漏れなく移行されているか
- フォームの送信先メールアドレスが正しいか
- 会社概要や料金など、古いままの情報が残っていないか
- 表示速度が遅くなっていないか
デザインの確認に社内の複数人を巻き込むと、意見が割れて進まなくなります。窓口を1人に決めておく理由がここにあります。
公開直前に必ず確認する項目
ここが最も事故が起きる場面です。検索からの流入を守れるかどうかは、ほぼこの段階の作業で決まります。
- 旧サイトのURLから新サイトのURLへリダイレクトを設定したか
- URLが変わるページの対応表を作り、1件ずつ確認したか
- 検索避けの設定(noindex)が本番で外れているか
- SSL(httpsの鍵マーク)が有効になっているか
- サイトマップを検索エンジンに再送信したか
- アクセス解析のタグが新サイトにも入っているか
- フォームから実際に送信して、メールが届くか確かめたか
- 404エラーになるページが無いか
- 個人情報の取り扱いや問い合わせデータの保存方法に問題がないか
リダイレクトの設定漏れは、リニューアル事故の原因として群を抜いて多いです。URLが変わったのに転送設定をしていないと、それまで検索で上位にあったページがすべて404になります。数年かけて積み上げた評価が、公開当日に消えます。
公開前の確認は、外部から見える状態でのセキュリティ設定も含めて見ておくのが安全です。ウェブサイトの脆弱性と対策については公的なガイドが公開されているので、制作会社の対応方針と突き合わせておくと安心できます(出典 情報処理推進機構「安全なウェブサイトの作り方」)。
公開後1ヶ月でやる項目
公開したら終わりではありません。むしろリニューアルの成否は公開後の1ヶ月で見えてきます。
- 検索順位が大きく落ちたページが無いか確認する
- アクセス数を前年同月と比べる
- 404エラーが出ているURLが無いか確認する
- 問い合わせが実際に届いているか、迷惑メールに入っていないか確認する
- Googleビジネスプロフィールや名刺、パンフレットのURL表記を更新する
順位が一時的に下がることはあります。サイトの構造が変わった直後は検索エンジンの再評価が入るためで、2〜4週間で戻るケースが大半です。ただし1ヶ月を過ぎても戻らない場合は、リダイレクトの設定漏れを疑ったほうがいいです。
確認漏れが起きやすいのは「誰の担当か曖昧な項目」
ここまでの項目を見ていくと、事故が起きるのはいつも同じ場所だと分かります。制作会社は「クライアントが判断すること」と思い、こちらは「制作会社がやってくれること」と思っている領域です。
リダイレクトの対応表、フォームの送信先、アクセス解析タグ、ドメインの名義。この4つは特に境界が曖昧になりやすいので、着手前に「どちらがやるか」を書面で決めておくと安全です。口頭の確認だけだと、公開後に責任の所在が分からなくなります。
最後に
リニューアルは、デザインを新しくする作業ではなく、公開日に事故を起こさずに引っ越しをする作業です。見た目の議論に時間を使いすぎて、リダイレクトやフォームの確認が後回しになるパターンが最も危険です。
発注前に決めることを10個、公開直前に確認することを9個。この2つさえ押さえておけば、大きな失敗はほぼ避けられます。
より詳しい確認項目と費用の目安は、ホームページリニューアル完全チェックリストにまとめています。40項目の確認リストと発注前に決めておくことを1冊にしているので、社内での共有にも使えます。
サイシアでは、既存サイトの課題整理から公開後の順位確認までを含めたリニューアルを承っています。「今のサイトのどこを直せばいいのか分からない」という段階の相談も歓迎です。
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