AI検索で選ばれる税理士事務所へ
「近くの税理士」「相続に強い税理士」をChatGPTやGoogleのAI回答で探す人が増えています。AIに名前を挙げてもらえる事務所になるために、ITに詳しくない所長でも取り組める対策をわかりやすく解説します。

税理士を「AIに聞いて」探す人が増えている
税理士を探す人の行動が、ここ数年で変わってきています。これまでは「地域名+税理士」でGoogle検索し、上位に出てきたホームページを見比べるのが普通でした。ところが最近は、ChatGPTやGeminiといったAIに「〇〇市で相続に強い税理士を教えて」と話しかけて候補を挙げてもらう人が増えています。
Google自体も変わりました。検索すると、青いリンクの一覧より先に、AIがまとめた回答(AI概要)が上部に表示されるようになっています。利用者はその回答を読むだけで、リンクをほとんどクリックせずに判断を終えてしまうことも珍しくありません。
つまり、これからは「検索結果で上位に出る」だけでなく、「AIの回答文の中で名前を挙げてもらえる」ことが問い合わせの入り口になります。相続や創業融資、資金繰りといった専門テーマは、まだこの対策に取り組んでいる事務所が少なく、先に整えた事務所ほど有利です。
AIに名前を挙げてもらえる事務所の条件
AIは、インターネット上にある情報を読み取って回答を組み立てます。そのため、AIが理解しやすく、信頼できると判断しやすい形で情報が置かれている事務所ほど、回答に登場しやすくなります。条件は大きく4つです。
専門分野と対応地域がはっきりしている
「相続」「創業融資」「医療法人」など、何が得意なのかと、どの地域に対応しているのかが明確に書かれていることが第一です。「幅広く対応します」よりも、「〇〇市を中心に相続税申告を年間〇件」のように具体的なほうが、AIは「このテーマの事務所だ」と判断しやすくなります。
料金や実績が整理して書かれている
AIは、箇条書きや表のように整理された情報を読み取りやすい傾向があります。料金の目安、対応できる業種、これまでの実績などが、文章の中に埋もれず整理して書かれていると、そのまま回答に引用されやすくなります。
他のサイトで言及されている
自分のサイトで「うちは相続に強い」と書くだけでなく、地域の商工会議所、提携先、取材記事など、第三者のサイトで名前が触れられていることも重要です。AIは複数の場所で言及されている事務所ほど信頼できると見なす傾向があります。
事務所名で検索・指名される力がある
最終的に効いてくるのが、事務所名そのものの知名度です。名前で検索される事務所は、AIから見ても「実在して活動している信頼できる存在」と判断されやすくなります。
今日から取り組める具体的な打ち手
条件がわかっても、何から手をつければよいか迷うところです。実際に効果が出やすく、負担も少ない打ち手を挙げます。
まず、専門分野ごとのページを充実させます。相続、創業支援、医療、飲食など、得意なテーマごとに独立したページを用意し、対応内容・料金の目安・進め方・実績を具体的に書きます。1ページに全部を詰め込むより、テーマ別に分けたほうがAIも人も理解しやすくなります。
次に、よくある質問(Q&A)をまとめます。「相続税の申告はいつまで」「顧問料の相場はいくら」といった、依頼者が実際に抱く疑問に一問一答で答えるページは、AIが引用しやすい形式の代表です。
そして、事務所の名称・住所・電話番号を、ホームページ・Googleビジネスプロフィール・各種登録サイトで完全に一致させます。表記がバラバラだと、AIも検索エンジンも同じ事務所だと認識しづらくなります。地味ですが効果の大きい作業です。
あわせて、Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)を整えます。基本情報を正確に登録し、事務所の写真を載せ、口コミに丁寧に返信する。これはAI概要にも地図検索にも効いてきます。
最後に、他サイトでの言及を少しずつ増やします。商工会や業界団体への登録、地域メディアの取材、提携先からの紹介ページなど、第三者から名前が挙がる機会をつくっていきます。
本当のゴールは「引用」ではなく「相談の増加」
AIに引用されること自体が目的になりがちですが、それは通過点です。本当のゴールは、AIの回答で名前を知った人が、あらためて事務所名で検索し、直接相談してくれる状態をつくることにあります。
AIの回答に一度名前が出ても、そこで問い合わせが完結するわけではありません。多くの人は名前を見たあと、事務所のサイトや口コミを確認してから連絡します。だからこそ、AIに拾われる情報整備と、その先で信頼を得るサイトづくりは、セットで考える必要があります。引用はきっかけ、指名検索と直接相談が成果、という順番です。
最後に
税理士を探す人の入り口が、検索結果からAIの回答へと広がっています。専門分野と地域を明確にし、料金や実績を整理して書き、事務所情報を統一し、他サイトでの言及を増やす。この積み重ねが、AIにも人にも「選ばれる事務所」への近道です。まだ競合が少ない今のうちに整えておくほど、先々の効果は大きくなります。
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